受身は【ころぶ練習・負ける練習・人前で恥をさらす練習】~真の強い人間を目指そう~
柔道の大切な技術として「受身」があります。投げられたときに自分の体を守る大切な技術です。
受身は、単独練習から始まります。
単独練習で形を覚えたら、2人組で練習。
志道館では、実際に投げられて受身を取れるようになるまで段階を経て習得していきます。
受身が身につくと、安全に投げられることができ、自分の体を守ることができます。
また、安全に投げられる(受け身をとる)ということは相手を守ることにも繋がります。
例えば、相手を投げる稽古の時。
技を受ける側が投げられるのを怖がって相手にしがみつくと、投げるほうもバランスを崩し、一緒になって倒れてしまい、怪我に繋がる恐れがあるからです。
受身の稽古は、単調な動きの反復が多く、地味に感じられるかもしれません。
ですが、自分を守るためにも相手を守るためにも、投げる技術と同じくらい、受ける(受身の)技術がとても大切なのです。
柔道で受身をとるときは、投げられたとき。
勝負でいえば負けた時です。
この《負ける練習》もとても大切です。
柔道やスポーツに限らず、勉強でも一生懸命にやったから「絶対に勝てる、成功する」ということはありません。人生の中では、恐らく負けることや失敗することの方がはるかに多いのではないでしょうか。
負けや失敗は、時に負の感情を生むこともありますが、決して悪いことでも恥じることでもありません。
柔道であれば、投げられたら受身をとり、相手のほうが自分より上手だったのだと素直に受け入れればいい。悔しさや苦しみもあるでしょうが、そこから這い上がり、前を向いて挑戦していくことが、本当の強さではないでしょうか?
我が家には、相田みつをさんの日めくりカレンダーがあります。26日は「受身」という詩です。
(相田みつを作品集 こころの歴 にんげんだもの1より引用 発行:相田みつを美術館)
投げられる(負ける)のはかっこ悪いし弱いと思っている我が家の子供たち。この詩をみて感じるものがあったようで、特に「負ける練習」という言葉が響いたようです。
子供たちは「受身」という詩から『負けること・恥をさらすこと』はかっこ悪いことではなく、強い人間になるために大切であると学びました。
人前で恥をさらすことや負けることの尊さがわかる人は、悲しみや苦しみを知り、人の痛みを理解できる真の強い人間といえるでしょう。
負けること、受け身から学ぶこと。
勝つことよりも、そこまで努力してきた道のりや準備にかけた時間、自分自身の覚悟が大切です。
志道館フリースクールクラスで、「受身」の練習から心も鍛え、一緒に真の強い人間を目指しましょう!
勇気の1歩をお待ちしております。
野尻 麻実
柔道トレーニングプログラムとは
本クラスでは「カラダ」にフォーカスし、《柔道特有の動き》と《柔道用の特性》を活かした【感覚統合運動(SAQトレーニング)】に取り組みます。
本プログラムを通して、お子様の未発達な身体感覚を補うことで、「セルフ・エスティーム」を確保し、「社会適応力」を獲得することを目的としています。
身体と心の両方で、子ども達が自分の人生を自信を持って歩み、将来世のため人のために自分の力を使うことができる人になるサポートをいたします。